小島動物病院AWC院長の小嶋です。
PCAPとはPathology Centered Animal Practiceの略語で、‘病理学を中心にした動物の診療’です。ここでは動物の病理学に関わることを記載しています。
腫瘤(しこりや腫れ物)や液状物(鼻水や尿など)にある細胞を見て、どんな病気があるか診断することを細胞診といいます。
細胞の集塊になったものを組織、更に組織がまとまったものが臓器であり、それらを採取して診断することを組織診断といいます。
細胞を取るということは大なり小なり作業が伴うもので大きい作業とは手術を指しますし、小さい作業とは針先に入るだけの細胞を取ることになります(Fine needle biopsy)。一般的に検査できる量が少なければ痛みも少ないですが、分かることも少ないことが多いです。どちらの方法をどのようなタイミングで行うかを選択するのは臨床医(実際に診療を行う獣医師)が飼い主様と相談して決めますが、何がベストであるかを判断するには臨床医の病気を診る目、病気の理解が重要だと思います。
確定診断を決定する病理検査の実施について、飼い主様との‘相談’が、飼い主様任せではあまりにも頼りありません。
私は、冷静な判断と勇気を持って前に進むことにしています。
肥満細胞腫の細胞診と組織診断です。